マス シューバルト詩 Y・C・M邦詩
きれいな小川に、矢より速く、
マスが泳ぐよ、楽しそうに
わたしは一人、岸で眺めてた
きれいな小川のマスの遊び
楽しいさかなのあの水遊び
釣り師が一人、竿を片手に
冷たい顔で、マスを見てた
水の流れが濁らぬかぎりは
釣り師もマスを釣りはせぬと
心の内で祈るばかり
でも、その時がすぐ来て
川は濁らされて、瞬く間に
竿がきらめいて、マスは、
マスは餌食!
わたしはそばで見てるばかり
あわれなマスを見てるばかり
→「シューベルトとゲーテの交錯」ヘ戻る